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ハーモニックドライブ®の原理

ハーモニックドライブ®の生みの親・C.W.マッサー

ハーモニックドライブ®の発明者 C.W.マッサー

斬新な発想に基づく、ユニークな原理のハーモニックドライブ®。このメカニズムは、米国の発明家マッサーによって生みだされたものです。
マッサーは、専門の機械工学の分野を超え、物理・化学・生物など広範囲にわたり1500件以上の特許を所有する、天才発明家です。
これまで、動力と動作を伝える歯車機構は、「より速く、より精密に」という至上目的を達成するため、剛性が高まる一方でした。
これに対し彼のハーモニックドライブ®理論は、金属のたわみ、弾性力学を応用するもので、従来の常識をくつがえす動力伝達方式として一躍、世界中から脚光を浴びました。

金属の弾性力学を応用したハーモニックドライブ®

金属の弾性力学を応用したハーモニックドライブ®は、わずか3点の基本部品(ウェーブ・ジェネレータ/フレクスプライン/サーキュラ・スプライン)から構成されています(形状により、4種類の基本要素となる場合がありますが、作動原理は同じです)。この精密なモーションを生むハーモニックドライブ®独自のユニークなメカニズムは、歯のかみあう様子から見ることができます。

ウェーブ・ジェネレータ
楕円状カムの外周に、薄肉のボール・ベアリングをはめた部分。ベアリングの内輪は、カムに固定されていますが、外輪はボールを介して弾性変形します。一般的には入力軸に取り付けます。
フレクスプライン
薄肉カップ状の金属弾性体の部品。開口部外周に歯が刻まれています。フレクスプラインの底(カップ状底部)をダイヤフラムと呼び、通常、出力軸に取り付けます。
サーキュラ・スプライン
剛体リング状の部品。内周に歯が刻まれており、フレスクプラインより歯数が2枚多くなっています。一般にはケーシングに固定されます。

作動原理

原理CGアニメーション

フレクスプラインはウェーブ・ジェネレータによって楕円状にたわめられます。このため、楕円の長軸の部分では、サーキュラ・スプラインと歯がかみあい、短軸の部分では、歯が完全に離れた状態となります。

サーキュラ・スプラインを固定し、ウェーブ・ジェネレータを時計方向に回転させると、フレスクプラインは弾性変形し、サーキュラ・スプラインとの歯のかみあう位置が順次移動していきます。

ウェーブ・ジェネレータが時計方向へ180度まで回転すると、フレスクプラインは歯数1枚分だけ、反時計方向へ移動します。

ウェーブ・ジェネレータが1回転(360度)すると、フレスクプラインはサーキュラ・スプラインより歯数が2枚少ないため、歯数差2枚分だけ、反時計方向へ移動します。一般には、この動きを出力として取り出します。

ハーモニックドライブ®の特長

  1. 高い速比

    一段同軸上で1/30~1/320という高減速比をもっています。複雑な機構、構造を用いることなく高減速装置が得られます。

  2. 小さいバックラッシ(ロストモーション)

    ハーモニックドライブ®は一般の歯車の歯のかみあいと異なり、バックラッシが非常に小さくなっており、これは制御機構の分野での欠かせない特長となっています。

  3. 高精度

    同時かみあい歯数が多く又、180°対称の2個所でかみあっているため、歯のピッチ誤差や累積ピッチ誤差の回転精度への影響が平均化され、高位置精度、回転精度が得られます。

  4. 部品数が少なく組込みが簡単

    高減速比にもかかわらず構成する基本部品がわずか3点。且つ、同一軸上にあるので、コンポネント製品は組込みが容易であり、シンプルなデサインが可能となります。

  5. 小型、軽量

    従来の歯車装置に比べると1/3以下の容量と、1/2以下の重量で同じトルク容量と速比が得られるため、装置を小型・軽量化できます。

  6. 大きなトルク容量

    フレクスプラインは、疲労強度の高い特殊鋼でつくられています。また、一般の動力伝達装置と違い、同時かみあい歯数が総歯数の約30%もあり、かつ面接触するため、1枚の歯にかかる力は非常に小さくなり高トルク容量を得ています。

  7. 優れた効率

    歯のかみ合い部の滑りがきわめて少ないため、摩擦による動力損失が少なく高減速比にもかかわらず高効率を維持し、駆動モータの小型化が可能です。

  8. 静かな運転

    歯のかみ合いの周速が低いことと、力のバランスがとれているため、静粛運転であり、且つ、振動もきわめて小さいです。