コーポレート・ガバナンス

Corporate Governance

基本的な考え方

当社は、「個人の尊重」、「存在意義のある企業」、「共存共栄」、「社会への貢献」という4つの柱で構成する「経営理念」の実践を通じて、ステークホルダーの期待に応え、持続的な成長と長期的な企業価値の向上を図るために、企業経営の健全性と透明性の確保に努め、迅速・果断な意思決定を実現させることをコーポレート・ガバナンスの基本方針としております。
当社は、監査役制度を採用しており、監査役会設置会社に基づく機関制度を基本としております。当社の監査役会は4名の監査役(うち2名が社外監査役)で構成されており、取締役会のみならず業務執行に係るその他の重要な会議にも積極的に出席するなど、業務執行状況を定常的に監査できる体制が構築されていると考えております。

コーポレート・ガバナンスコード

コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由

補充原則4-3-3 最高経営責任者(CEO)の解任手続き

現在当社はCEOを解任するための評価基準や手続きは定めておりません。なお万一、当社の経営陣幹部が法令及び定款に違反する行為又はその恐れがある行為を行った場合、その他職務を適切に遂行することが困難と認められる事由等が生じた場合には、社外取締役から解任が提案された場合も含めて、解任理由について適時認識を擦り合わせた上で取締役会に付議することとします。
また、今後様々な角度から、より客観性・適時性・透明性ある手続の確立に向けた検討を行ってまいります。 

コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示

原則1-4 政策保有株式

(1)政策保有に関する方針
政策保有株式については、必要最低限のものに厳選する方針のもと、保有することの経済性に加え、事業戦略、取引関係などを総合的に勘案し、当社グループの中長期的な企業価値向上に資すると判断する株式について保有する方針です。

(2)政策保有株式にかかる検証の内容
年1回取締役会において、上記方針に照らし、取締役会において受取配当額の実績や見通し、当社の資コストと対象会社のROEとの比較などを行う定量的な方法と、事業戦略面などから評価を行う定性的な方法との両面から、継続保有することの可否につて検証を行います。なお、保有銘柄、保有株式数、保有目的、保有効果等については、有価証券報告書に記載いたします。

(3)政策保有株式にかかる議決権行使基準
議決権行使は、当社及び政策保有先の中長期的な企業価値向上に資するか否かを判断基準としております。

原則1-7 関連当事者間の取引

当社グループが、当社役員や主要株主等との取引を行う場合には、取締役会での審議・決議を要することとしており、利害関係を有する取締役は当該議案に対し議決権を行使できないこととしております。また年1回、全取締役・監査役・執行役員に対し、書面にて関連当事者との取引の有無に係る確認を行っております。

補充原則2-4-1 中核人材の登用等における多様性の確保

当社では、経営理念の筆頭に「個人の尊重」を掲げており、従業員一人一人の権利を尊重し、個人が意義のある文化的な人生と生き甲斐を追求できる企業であること、一人一人の向上心を信じ自立的な活動を援助し、仕事を通して能力が最大限に発揮できる環境を作り、能力や業績に報う企業であることを理想とし、人的資本に関する各方針・制度などの環境を整備しております。

<多様性の確保についての考え方・測定可能な目標・確保の状況>
当社は、性別、国籍、年齢、新卒採用と中途採用、障がいの有無等に関係なく、全ての従業員が持てる能力を発揮し、活躍できる職場環境の構築を目指しております。女性管理職数、女性役員数、外国人採用数については目標人数を設定し、多様な人材の確保に取り組んでおります。

(1)女性の管理職への登用
女性の採用については、新卒での採用を促進しており、中途採用においては積極採用とともに管理職への登用を推進しております。女性管理職数目標は2028年3月期に当社単体で5名としており、2025年3月末時点では3名です。女性の管理職への登用については、現時点では候補となる人材の全従業員に占める割合が小さいため、引き続き採用とともにキャリア形成の支援を強化することにより、母集団の拡充を図ってまいります。
なお、2025年3月末時点において、女性の社外取締役1名、執行役員2名を選任しております。加えて、子会社には女性の取締役を1名選任しております。

(2)外国人の管理職への登用
当社は、「経営理念」を共有でき、当社グループに必要な能力を持った人材を確保するため、新卒採用・中途採用ともに日本人、外国人の区別なく実施し、多様性のある組織を目指しております。また、従前から、国籍等に関係なく、能力本位で管理職登用を行っておりますが、2025年3月末時点における当社単体の外国人採用数は1.4%(9名)と少なく、そのほとんどが新卒採用であることから、外国人管理職比率及び管理職数の目標値についてはまだ設定しておりません。先ずは外国人採用者の確保に優先的に取り組み、管理職目標値は今後の検討事項といたします。

(3)中途採用者の管理職への登用
当社は、「経営理念」を共有でき、当社グループに必要な能力を持った人材を確保するため、新卒定期採用に加え、様々な経験、スキル、資格等を有し、即戦力として期待できる中途採用も積極的に実施し、多様性のある組織を目指しております。なお、当社では、従前から新卒採用者、中途採用者の区別なく能力本位で管理職登用を行っており、中途採用者の比率及び管理職数については十分な数となっていることから特に目標値は設定しておりません。
2025年3月末時点の当社単体における中途採用者の管理職以上の登用状況は以下のとおりであります。
・管理職における中途採用者比率:57.1%
・執行役員(取締役兼務を除く)における中途採用者比率:80.0%

<多様性の確保に向けた人材育成方針、社内環境整備方針、その状況>
(1)人材育成方針
当社では、「経営理念」を実現できる人材の育成を基本方針としており、以下3段階に分けた人材育成方針に基づき、戦略的に育成に取り組んでおります。
第一段階:教育・育成段階 「求める人材像」の基本の徹底
第二段階:実践段階 主に実務を通して能力向上、専門性の確立を図る中で、個人の取り組みを支援し、自主的成長を促す。また、戦略的に将来の幹部候補の育成を行う。(社内一流)
第三段階:専門性発揮段階 マネジメント力、専門技能技術等これまで培ってきた能力・経験を発揮するとともに、多能工化にも取り組む。また、部門運営・後進育成に貢献する。(育成する側となる)(社外一流)

(2)社内環境整備方針
当社では、個々人が意欲的に活躍する組織を構築するため、多様な人材が活躍できる職場環境の整備に取り組んでおります。主な取り組みは以下の通りです。

人事制度
当社グループでは、従業員の能力向上や働く意欲の向上が、経営ビジョンや目標達成を可能にするとの考えのもと人事制度を構築しております。従業員個々の主体的なキャリア構築と社内の人財流動性を高める部門異動の施策として、ジョブローテーション・自己申告制度・社内公募制度を整備しております。さらに、雇用形態に関係なく利用できる育児・介護休業制度など、他にも様々な制度を整備しております。特に、仕事と育児の両立支援を強化するため、出産・育児における休暇・休職・復帰制度、時短勤務、テレワーク等の諸制度で働きやすい職場環境の整備に取り組んでおります。また、女性の活躍推進及び従業員の働き方改革の一環から、男性従業員の育児休暇制度の利用促進を積極的に推進しております。
2025年3月期における当社単体の男性育児休暇取得率は85.7%でした。

能力開発制度
当社では、従業員の能力開発にあたり、中長期スパンによる計画的な人財育成計画を立案し、誰もが当社の従業員に求められる能力を効果的・継続的に向上・開発できる制度を構築しております。
能力開発研修には、役割に求められる能力を発揮するために階層ごとに実施する必修の「階層研修」、業務遂行とキャリア開発のために必要な「基礎研修」、業務における専門性を向上し、キャリア開発のための専門能力を習得するための「専門研修」、より高度な経済環境や技術水準、国際化の進展等を踏まえ、国内外の大学等高等教育機関におけるMBAやMOTなどの学位取得をはじめ、海外関係会社での海外研修や海外の大学のAEIプログラムによる語学留学など、従業員自身の自己啓発による一層の能力向上を会社として支援する「特別研修」があります。また、当社の中長期的な成長を支える技術者・技能者に対しては、社内資格制度や外部の技能検定試験の取得を積極的に支援しております。

健康管理の推進
当社では、従業員の健康を重要な経営資源と捉え、安全衛生と健康管理の取り組みを推進しております。具体的な取り組みは以下の通りです。
・定期健康診断、ストレスチェック等による従業員の体調とメンタル不調の未然防止
・健康診断に係る専門部署「健康推進センター」の設置と社内産業保健師によるきめ細やかな健康相談・指導
・社内・社外にハラスメント等の通報/相談窓口を設置
・テレワーク環境の提供  等

人的資本の取り組みについては、統合報告書及び有価証券報告書並びにWEBサイトでも公表しております。
・統合報告書:https://www.hds.co.jp/csr/hdsreport/
・有価証券報告書:https://www.hds.co.jp/ir/data/securities/
・WEBサイト「サステナビリティ」:https://www.hds.co.jp/csr/

原則2-6 企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮

当社は、確定給付型と確定拠出型の年金制度を併用しており、規約型の確定給付型年金に係る資産運用(投資先の選定、議決権行使など含む)については、当社が運用の基本方針を策定した上で、スチュワードシップ活動を含む受託責任を適切に果たすことができると見込まれる運用機関を選定し、当該機関に一任しております。また当社の担当部門は、当該運用機関に対し定期的な報告を求め、運用成績や体制等について確認を行っております。
確定拠出型年金制度については、対象となる役職員に対し、運用機関及び運用商品に係る教育機会の提供を適宜行っております。

原則3-1 情報開示の充実

(1)経営理念等、経営戦略、経営計画

当社は経営理念、経営戦略・中期経営計画を定め、WEBサイトで開示しております。
経営理念:https://www.hds.co.jp/company/idea/
経営戦略・中期経営計画:https://www.hds.co.jp/ir/management_policy/strategy/

(2)コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
コーポレート・ガバナンス報告書「コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及び資本構成、企業属性その他の基本情報 1.基本的な考え方」に記載のとおりです。

(3)取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続
コーポレート・ガバナンス報告書「経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート・ガバナンスの体制の状況 1.機関構成・組織運営等に係る事項【取締役報酬関係】報酬の額又はその算定方法の決定方針の開示内容」に記載のとおりです。

(4)取締役・監査役候補の指名を行うに当たっての方針と手続

取締役を新任または再任するときは、取締役会の諮問機関である指名・報酬諮問委員会への諮問、答申プロセスを経て、当該答申内容を考慮したうえで、取締役会において株主総会の付議議案を決議し、最終的に株主総会の決議により決定いたします。
監査役の選任については、取締役会が推薦し、監査役会の同意を得たうえで、株主総会へ付議することとしております。
社外取締役及び社外監査役の選任にあたっては、当該社外役員候補者自身及びその者が所属する会社等と当社グループとの人的関係、資本関係、取引関係を総合的に勘案した上で、当該社外役員候補者が独立した立場で求められる機能及び役割を果たすことができると判断した場合に、候補者として指名しております。 

(5)取締役・監査役候補の指名を行う際の選任・指名についての説明
取締役、監査役候補者を株主総会に付議する際には、略歴を記載し、実績・経験等の判断材料を提供するとともに、選任理由及び当社に必要な専門性をスキルマトリックスとして参考書類に記載する方法で開示しております。スキルマトリックスは、こコーポレートガバナンス報告書末尾にも掲載しております。

(6)経営陣幹部の解任を行うに当たっての方針と手続
当社の経営陣幹部が法令及び定款に違反する行為またはその恐れがある行為を行った場合、その他職務を適切に遂行することが困難と認められる事由等が生じた場合には、社外取締役から解任が提案された場合も含めて、解任理由について適時認識をすり合わせた上で、指名・報酬諮問委員会での諮問・答申プロセスを経たうえで、取締役会において決議することとします。

補充原則3-1-3 サステナビリティについての取り組み

<サステナビリティについての取り組み>
当社グループでは、サステナビリティの取り組みを重要な経営課題と認識し、グループサステナビリティ全般を推進・統括・管理する組織としてサステナビリティ委員会を2023年4月1日付で設置し、戦略的にサステナビリティの推進を図っております。サステナビリティ委員会は業務執行取締役をメンバーとして構成されており、委員長は代表取締役社長が務めております。
また、新たに中期経営計画を策定する際はマテリアリティを見直し、中期経営計画及び年度計画に展開して取り組みを推進しております。

気候変動への対応
当社グループでは、気候変動への対応を経営上の重要課題と認識し、「2050年ネットゼロ」を長期目標に、「2030年度のGHG排出量を2022年度比30%減」を中期目標に掲げ、サステナビリティ委員会を中心に、その達成に向けて取り組んでおります。具体的には、当社グループの事業に影響を与えると想定される気候変動関連のリスクと機会を特定した上で、1.5℃シナリオと4.0℃シナリオそれぞれの世界観において、TCFDが提言するシナリオ分析を実施し、顕在化時期の時間軸を短・中・長期として、各リスクと機会の事業への影響度と発生可能性を分析しております。本シナリオ分析の結果に基づき、サステナビリティ委員会を中心に、機会創出とリスク最少化に向けた取り組みを推進しております。詳細は、統合報告書及び有価証券報告書に掲載しております。

サステナビリティへの取り組みについては、統合報告書及び有価証券報告書並びに当社WEBサイトをご参照ください。
・統合報告書:https://www.hds.co.jp/csr/hdsreport/
・有価証券報告書:https://www.hds.co.jp/ir/data/securities/
・WEBサイト「サステナビリティ」:https://www.hds.co.jp/csr/


<人的資本、知的財産への投資等>
当社では、人的資本と知的財産への投資について、マテリアリティにおいて「人的資本の価値最大化」、「環境の変化に適合した新技術・新技能への挑戦と創出」として特定しております。
人的資本については、WEBサイトのサステナビリティページ(https://www.hds.co.jp/csr/)においても、従業員・お客様・社会への取り組みとして掲載するとともに、コーポレート・ガバナンス報告書「Ⅰコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及び資本構成、企業属性その他の基本情報の1.基本的な考え方 【コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示】の【補充原則2-4-1 中核人材の登用等における多様性の確保】及び有価証券報告書」にも記載しております。
知的財産への投資については、研究開発と"モノづくり"から創出した知的財産の権利化、保護等に積極的に取り組んでおり、その考えをWEBサイト(https://www.hds.co.jp/development/intellectual_property/)に公表しております。

 

補充原則4-1-1 経営陣に対する委任の範囲

当社は、取締役会で決定する事項を取締役会規則に定め、法令、定款、取締役会規則にもとづき取締役会を運営するとともに、具体的な業務執行は業務執行取締役に委ねています。また、当社は執行役員制度を採用し、代表取締役社長の指揮のもと、迅速な意思決定ができるよう職務権限規程に定めた決裁権限にもとづき業務を遂行しております。

原則4-9 独立社外取締役の独立性判断基準及び資質

独立社外取締役の選定に当たっては、東京証券取引所が定める独立性基準にもとづき、各項目への該非判定を行った上で、総合的な判断を加え選定しております。当該内容は、独立役員届出書、コーポレート・ガバナンス報告書「経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート・ガバナンスの体制の状況 1.機関構成・組織運営等に係る事項 【取締役関係】」で開示しております。
また、独立社外取締役の候補者選定にあたっては、各候補者の経歴、知見、人柄、ジェンダー、国際性及び当社に必要な専門性の有無など、多角的な観点から考慮のうえ、取締役会のさらなる活性化が期待される人物を選定しております。

補充原則4-10-1 独立社外取締役が取締役会の過半数に達していない場合の任意の委員会の活用

当社は、2024年3月25日開催の取締役会において、同日付で取締役会の諮問機関として任意の指名・報酬諮問委員会を設置いたしました。本委員会は、構成委員の過半数を独立社外取締役とし、委員長は独立社外取締役から選定する旨を規程に定めており、公正性・透明性・客観性が確保できていると判断しております。現在は独立社外取締役 吉田治彦、独立社外取締役 中村雅信、取締役社長 丸山顕の3名が委員として就任しており、委員長は独立社外取締役 吉田治彦が務めております。
本委員会の詳細につきましては、コーポレートガバナンス報告書の「Ⅱ経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート・ガバナンス体制の状況 1.機関構成・組織運営などに係る事項 指名委員会又は報酬委員会に相当する任意の委員会の有無 補足説明」欄を参照ください。

補充原則4-11-1 取締役会の全体としてのバランス・多様性・規模に関する考え方及びスキル等の開示

当社は定款において取締役の員数を15名以内と定めております。また、取締役の選任にあたっては、当社が国際的に展開する技術・技能集団であることを勘案し、経営全般、製造、開発、営業、財務会計等に係る専門能力と知見を有する業務執行取締役と、他社、他業界、国際面などでの豊富な経営経験を有する社外取締役で構成することを基本方針としております。スキルマトリックスについては、2022年6月の定時株主総会招集ご通知から開示しております。また、本ページ及びコーポレートガバナンス報告書にも掲載しております。なお、当社の5名の独立社外取締役は、全員が他法人での経営経験を有しております。

補充原則4-11-2 取締役及び監査役の兼任状況

取締役・監査役の兼任の状況は、株主総会招集ご通知の事業報告、有価証券報告書で公表しております。なお、他社との兼職数につきましては、当社役員としての役割・責務を果たすことが可能な範囲にとどめております。
 ・株主総会招集ご通知:https://www.hds.co.jp/ir/event/stockholder/
 ・有価証券報告書:https://www.hds.co.jp/ir/data/securities/

補充原則4-11-3 取締役の実効性についての分析・評価

1. 評価方針
当社は、取締役会が企業価値の向上と持続的な成長を実現するために、意思決定機能と監督機能を適切に果たしているかを毎年評価しています。本評価を通じて、経営の健全性と透明性のさらなる強化、意思決定の迅速化、経営効率の向上を図り、企業ガバナンスの強化を目指してまいります。

2. 2023年度の実効性評価で認識した課題と取り組み
(1)中長期的な経営戦略に関する議論が十分でないとの意見を受け、以下の施策を実施しました。
①マテリアリティの特定
②海外子会社社長による中期経営計画説明会の開催
③2024~2026年度の中期経営計画の策定・審議における取締役会での活発な議論の創出
④中期経営計画の進捗状況を定期的に議論する機会の創出

(2)取締役会での議論をより充実させるために以下の取り組みを進めました。
①取締役会資料の事前配布の徹底
②事前説明会の充実

3. 評価プロセス
2024年度の取締役会の実効性評価のプロセスは以下のとおりです。
(1)取締役会がその役割・責務を実効的に果たすうえで重要と考えている事項(取締役会の構成、取締役会の運営、取締役会の議題、取締役会を支える体制、サステナビリティ課題)について、各取締役及び監査役を対象に、アンケート調査を実施
(2)アンケートの集計結果を基に取締役会で報告・審議を実施

4. 2024年度の評価結果の概要
本評価の結果、当社取締役会の実効性について以下のとおり確認しました。
(1)実効性評価アンケートの回答結果に基づき、取締役会の人員構成、運営状況、議案審議内容、支援体制について「適正」又は「概ね適正」との評価が大半を占め、概ね実効性が確保されていることを確認しました。
(2)2024年度の評価を通じて、将来を見据えた中長期の事業戦略とそれを支える人財育成について議論を深める必要があることを認識しました。

5 2025年度の取組み
本評価結果を踏まえ、2025年度は以下の取り組みを進めてまいります。
(1)討議テーマを設定し、フリーディスカッションを実施
(2)関連テーマに関する研修会の開催
当社取締役会は、さらなる改善に取り組み、企業価値の向上と持続可能な成長に貢献してまいります。

補充原則4-14-2 取締役及び監査役のトレーニング方針

取締役及び監査役がその役割を果たす上で必要な知識と情報を得られるよう、経営全般・会社法制等に係る外部研修の受講、事業理解を深めるための重要な会議への出席、主要な施設の視察、子会社への訪問等の機会を提供し、その費用を会社が負担しております。当該内容については、本ページでも開示しております。

原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針

当社は株主・投資家の皆様を重要なステークホルダーと位置づけ、建設的な対話を促進する体制を整備し取り組むことが上場企業としての責務と考えております。このため、IRを担当する執行役員を定め、IR部門が他の関係部署と密接な連携を図りながら、合理的な範囲で積極的な活動を行っております。具体的には、機関投資家向け決算説明会(中間期・通期)、個人投資家向け会社説明会、株主工場見学会、機関投資家向け工場見学会、機関投資家との小集団又は個別ミーティング(四半期)、統合報告書の発行、WEBサイトの充実に加え、2025年6月の株主総会からは、議決権の電子行使にあわせた事前質問の受付及びアンケートも実施するなど、株主・投資家の皆様とのコミュニケーションを図っております。詳細については、こことが公表コーポレートガバナンス報告書「IRに関する活動状況」をご参照ください。

株主との対話の実施状況等

当社では、株主・投資家の皆様を重要なステークホルダーと位置づけており、株主・機関投資家からの問合せ、ミーティング要請に対しては積極的に対応する方針で、代表取締役CFO、執行役員経営企画本部長、執行役員経営企画・IR室長を中心に対応しております。
2025年3月期における株主・投資家の皆様との主な対話実施状況は以下のとおりです。
・機関投資家向け:個別IRミーティング 277件、スモールミーティング 14件(参加投資家数373名)、IRカンファレン参加 4件(参加投資家数48名)

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応

資本コストにつきましては、外部専門家の支援を受け、ファイナンス理論に基づいた当社の株主資本コスト及びWACCを算定のうえ、取締役会において当該数値の実績や推移を共有しております。なお、CAPM(資本資産評価モデル)を用いて算定される当社のWACCは8%程度と認識しております。一方で、当社が設備投資等の意思決定を行うにあたってはDCF法を用いており、当該計算に用いる割引率は資本コストを上回る10%をハードルレートとして設定し、その合理性を検証しております。
加えて、当社では、「モーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する」をミッションに、2024~2026年度の中期経営計画に掲げた方針及び経営目標を達成するべく取り組んでおります。当該計画の最終年度となる2026年度の指標については、収益性として売上高営業利益率15~20%、EBITDA率25~30%、効率性としてROEとROIC各々を株主資本コスト以上の10%以上、安定性として自己資本比率70%以上、株主還元として配当性向30%以上を目標としております。中期経営計画は取締役会で議論・承認されており、毎年度末の取締役会において進捗状況が報告され、経営陣が主体となって経営資源の適切な配分を実施すべく検討・分析・評価しております。
なお、2025年3月期に実施した施策としましては、資金・資本効率の改善を図るため、政策保有株式の大幅な縮減を進めるとともに、当該株式の売却によって得た資金及び利益の一部を活用し、自己株式の取得を実施いたしました。
これらの取り組みについては、統合報告書において代表取締役CFOが説明しております。
 ・統合報告書:https://www.hds.co.jp/csr/hdsreport/

コーポレート・ガバナンス体制

当社は、監査役会制度を採用しており、会社法に定める監査役会設置会社に基づく機関制度を基本としております。当社では、以下のような体制を構築していることから、コーポレート・ガバナンスが十分に機能していると考えており、現行の体制が有効であると判断しております。

1. 取締役会

取締役会は当社グループの基本方針や戦略の策定に加え、法令・定款に定められた事項を含む重要事項の意思決定及び業務執行の監督を行います。
取締役会は10名で構成されており、うち5名が社外取締役であります。社外取締役は、自身の企業経営に係る経験や見識に基づき、業務執行取締役に対し独立した立場で、当社経営の監督機能等を発揮しております。
2024年度の取締役会の活動状況は、有価証券報告書の65ページに記載しております。

2. 監査役(会)

監査役は監査役会で定めた監査方針と監査計画に基づき、取締役の職務の執行の監査、取締役会及びその他重要会議への出席、重要な決裁書類の閲覧、事業所及び子会社の往査等を実施し、経営の執行状況を定常的に監査できる体制としております。
監査役会は常勤監査役2名を含む4名で構成されており、うち2名が社外監査役であります。
2024年度の監査役会の活動状況は、有価証券報告書の87ページに記載しております。

3. 取締役会諮問委員

取締役会への諮問機能として、国内外の有識者で構成する取締役会諮問委員を選任し、経営上の課題に対し定期的な助言を得ております。

4. 執行役員会議

当社では、2003年6月より、業務執行に対する監督機能の強化と経営の意思決定の迅速化を図るため、執行役員制度を導入しております。これにより、取締役会が担う方針・戦略の策定、意思決定、監督機能と、執行役員が担う業務執行機能の分離を明確にしております。また、業務執行における重要な事項や課題は、月1回開催される執行役員会議において審議しております。
執行役員会議は現在15名で構成されており、議長は社長執行役員が務めております。また、執行役員のほか、取締役、監査役が出席し、執行役員の業務執行の状況を監督または監査できる体制としております。

5. 任意の指名・報酬諮問委員会

当社は、2024年3月25日開催の取締役会において、同日付で任意の指名・報酬諮問委員会を設置しております。指名・報酬諮問委員会は、構成委員の過半数を独立社外取締役とし、委員長は独立社外取締役の中から選定する旨を規程に定めております。現在は独立社外取締役2名を含む3名で構成されております。
本委員会は、取締役会の諮問機関として、取締役の選任・解任、代表取締役の選定、役付取締役の選定・解職、取締役の報酬、社長の後継者計画及び育成等について検討、審議し、取締役会への答申事項を決定いたします。

6. サステナビリティ委員会

当社では、グループ全体のサステナビリティ推進体制を強化するため、グループサステナビリティ全般を推進・統括・管理する組織としてサステナビリティ委員会を2023年4月1日付で設置しております。本委員会の委員長は代表取締役社長が務め、メンバーは業務執行取締役で構成されております。
本委員会の主な役割は、サステナビリティに係る方針・戦略の策定・改定、マテリアリティの特定、長期の目標・KPIの策定・進捗管理、リスクと機会の特定・管理、推進活動の企画と周知、取締役会への定期的な報告及び提言・基本法の上程等であります。
2023年度の取締役会の活動状況は、有価証券報告書の18ページに記載しております。

7. コーポレート・ガバナンス体制

クリックすると拡大します


※当社では、取締役会の諮問機関として、国内外の有識者で構成する取締役会諮問委員を選任し、経営上の課題に対し定期的に助言を得ております。

8. 取締役会のスキルマトリックス並びに各項目の選定理由

この表は横にスクロールしてご覧いただけます。


取締役会のスキルマトリックス

氏名 地位 取締役会
出席状況
就任
期間
知見・経験・能力・専門性
企業経営・経営戦略 海外事業 営業・マーケティング 製造・生産 技術・研究開発 財務戦略・資本政策・会計 情報通信技術(ICT) サステナビリティ 

長井 啓
(ながい あきら)
取締役会長 20/20回 12年      

丸山 顕
(まるやま あきら)
代表取締役
社長
20/20回
9年

 

上條 和俊
(かみじょう かずとし)
代表取締役 20/20回
5年


   

谷岡 良弘
(たにおか よしひろ)
取締役 20/20回 4年      

白澤 直巳
(しらさわ なおみ)
取締役 15/15回 1年      

吉田 治彦
(よしだ はるひこ)
社外取締役
(独立役員)
20/20回 22年



 

中村 雅信
(なかむら まさのぶ)
社外取締役
(独立役員)
20/20回 12年        

福田 善夫
(ふくだ よしお)
社外取締役
(独立役員)
20/20回 5年    

林 和彦
(はやし かずひこ)
社外取締役
(独立役員)
20/20回
3年      

北本 佳永子
(きたもと かえこ)
 
社外取締役
(独立役員)
19/20回 2年
       

※白澤直巳氏は、2024年6月21日開催の2023年度定時株主総会において新たに選任され、就任いたしましたので、就任日以降に開催した取締役会への出席状況を記載しております。

スキルマトリックス各項目の選定理由

この表は横にスクロールしてご覧いただけます。

スキル項目 選任理由
企業経営・経営戦略

「モーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する」をミッションに、社会をより良くするための技術革新に貢献し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指すためには、モノづくり企業をはじめ様々な企業でのマネジメント経験や経営実績、豊富な知識を持った取締役が必要である。

海外事業 国際的に事業展開する当社グループで成長戦略を推進するためには、海外での事業マネジメント経験や地域文化等における豊富な知識・経験を持った取締役が必要である。
営業・マーケティング

お客様の本質的なニーズを把握し、お客様にご満足いただけるような魅力ある製品を作り上げ、お客様の立場にたったサービスを提供するためには、営業・マーケティングにおける確かな知識と豊富な経験を持った取締役が必要である。

製造・生産

事業領域である「トータル・モーション・コントロール」における価値あるモノづくりとお客様のより高い満足を実現するためには生産体制の維持・発展が不可欠であることから、製造・生産における確かな知識と豊富な経験を持った取締役が必要である。

技術・研究開発
精密減速機のリーディングカンパニーとして、高品質を維持し、お客様にとっての高付加価値な製品を開発するためには、減速機とメカトロニクス製品における研究開発経験と業界に関する専門的な知識や経験を持った取締役が必要である。
財務戦略・資本政策・会計 強固な財務基盤を構築し、持続的な企業価値の向上に向けた成長投資、財務戦略の推進、株主還元を実施するためには、財務・会計分野における確かな知識と豊富な経験を持った取締役が必要である。
情報通信技術
(ICT)
サイバー攻撃対策を含む情報インフラの整備や先進情報技術を活用し、全社レベルでICTを推進するためには、情報通信技術に関する確かな知識と経験を持った取締役が必要である。
サステナビリティ
持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目的に策定したサステナビリティ基本方針及びマテリアリティに基づき、地球環境の負荷低減や働きがいのある職場環境の整備等を推進するためには、温室効果ガス削減のための再エネ導入やダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進を含む人的資本に関する確かな知識と経験を持った取締役が必要である。

内部統制システム等に関する事項

1. 内部統制システム

内部統制システムについての基本的な考え方


当社は、「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制、その他業務の適正を確保するための体制」として、内部統制システム構築の基本方針を以下のように定めております。この基本方針に基づき、業務の適正を確保していくとともに、今後もより効果的な内部統制システムの構築を目指して、継続的に見直しを行い、改善を図ってまいります。

内部統制システムの整備状況

1.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(1)当社及び子会社で働く全ての者に対して、「行動憲章」、「行動規範」の徹底を図り、個々人のコンプライアンスに対する高い意識を醸成する。
(2)当社及び子会社において、万一、コンプライアンスに関連する悪い事態が発生した場合には、その内容及び対処策が総務担当の執行役員を通じて代表取締役社長、取締役会長、取締役会、監査役会に報告される体制を構築する。
(3)当社及び子会社は、財務報告の信頼性・適正性を確保するための体制を構築し、その体制の整備・運用状況を定期的に評価する。
(4)(1)項、(2)項及び(3)項を確保するための体制として、内部統制監査室を主体とした内部監査員が、当社及び子会社の内部監査を実行することで、業務執行が適正に行われる体制を確保する。
(5)当社及び子会社は、法令遵守の基本方針を貫き、反社会的勢力及び団体とは一切の関係を持たない。

2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役の職務の執行に係る情報・文書の取扱いは、当社の文書管理規程に従い、適切に保存及び管理する。

3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1)危機・リスク管理規程を制定し、これに従い当社グループ全体のリスクマネジメント体制を構築し管理を行う。
(2)リスクが顕在化した場合については、当社で定める「行動規範」、「危機・リスク管理規程」、「危機管理-危機発生時の行動規範」に従い、適切な対応をとる体制を構築する。
(3)リスク管理に係る責任と権限は以下のように分掌する。
・代表取締役社長は、当社グループの全領域におけるリスク管理体制を構築する権限と責任を有する。
・リスクマネジメント担当執行役員は、代表取締役社長の指示・監督のもと、当社グループにおけるリスクマネジメント体制の維持・改善を横断的に推進し、管理する。
・各執行役員は自己の担当領域について、リスクの識別・評価・監視・管理の重要性を認識し、把握と管理のための体制を整備する。

4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1)当社は執行役員制度を採用し、取締役会が担う戦略創出・意思決定・監督機能と、執行役員が担う業務執行機能を分離する。また、職務遂行上の責任と権限は「職務権限規程」に定め、責任の明確化と意思決定の効率化・迅速化を図る。
(2)当社では、以下の経営管理システムを用いて、事業の推進の状況とリスクを継続的に監視し、取締役、執行役員、子会社取締役の職務執行の効率性を確保する。
・取締役会(重要な経営方針の決定、中期経営計画及び年度経営計画の達成状況の監視)
・執行役員会議(執行役員の業務執行状況の報告と審議、重要な経営事項の執行の審議及び決定)
・社長監査(社長が各部門責任者の業務執行方針、目標、執行状況を直接監査)
・業務革新会議(月次の業績、業務革新の取り組み等に係る審議)
・関係会社会議(関係会社の経営状況の報告と審議)
・内部監査(業務・会計・品質・環境に係る活動の適正性と効率性を監査)
 
5.当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(1)「行動規範」を子会社の従業員に対しても徹底することで、コンプライアンスに対する高い意識を醸成する。
(2)「関係会社管理規程」に従い、子会社に対する適切な管理体制を構築する。
(3)関係会社会議を定期的に開催することで、子会社の業務執行状況とリスクを継続的に監視する。
(4)内部統制監査室を主体とした内部監査員は、定期的にグループ会社に対する業務監査を行う。
(5)当社と子会社との人事交流を図ることで、企業集団としての連携体制をより緊密なものとする。

6.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
監査役の職務を補助するための組織を設置し、適切な人員を配置する。

7.6の使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役の職務を補助する組織の人員に係る人事異動、人事評価等は、監査役(会)の同意を得ることを要する。

8.当社及び子会社の取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
(1)監査役は重要な会議に出席することで、取締役及び使用人の業務執行上の重要な情報を把握する体制をとる。
(2)当社及び子会社の取締役及び使用人は、法定の事項に加え、当社グループに重大な影響を及ぼす恐れのある事項を速やかに監査役(会)に報告する体制をとる。
(3)当社及び子会社の内部監査によって抽出された事項は、内部監査室長によって監査役(会)に報告される体制をとる。
(4)当社及び子会社の取締役及び使用人は、監査役(会)の要請に応じて、必要な報告及び情報提供を行うことを要する。
(5)当社及び子会社からの内部通報は、内部通報制度にもとづき処理され、定期的或いは適宜、取締役(会)及び監査役(会)に報告される体制をとる。また、内部通報者の身分、個人情報等を保護するととともに、通報者に不利益が生じないことを確保する。

9.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1)監査役(会)は、当社の会計監査人との間で定期的に意見交換会を行う。
(2)監査役(会)は、監査の実施にあたり必要と認めるときは、内部スタッフの他、弁護士、公認会計士その他の外部専門家を任用することができ、その費用は会社が負担する。

2. 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況

当社は、「行動憲章」において、反社会的勢力排除に係る以下の基本方針を定めております。
・当社は、反社会的勢力に対して一切妥協せず、断固たる態度を保持する。

なお、上記の「行動憲章」につきましては、全従業員にその内容を周知徹底するため、集合研修等の方法による啓蒙活動を定期的に行うとともに、携帯サイズのカードにして、全従業員に配布しております。
また、このほか、反社会的勢力への対応については、社内規定である「内部統制マニュアル」を整備し、具体的な運用を図っております。
加えて、警察や特殊暴力防止対策連合会との連携を通して、反社会的勢力に係る情報提供や、適切な対応方法等についてのアドバイスを受けております。

監査の状況

1. 監査役会

監査役会は常勤監査役2名及び非常勤監査役2名の計4名(うち、2名が社外監査役)で構成されております。監査役は定時株主総会終了後、監査役会において、監査方針・計画・業務分担を決定し、各監査役は「監査役会規則」、「監査役監査基準」、「内部統制システムに係る監査の実施基準」に従い、取締役・執行役員などの職務執行について監査しております。具体的には、取締役会、執行役員会議、業務革新会議、開発推進会議、関係会社会議などの重要な会議への出席を通じて取締役の職務の執行を監査しております。加えて、代表取締役との面談、社外取締役との情報共有化、取締役、執行役員、主要部署の部門長・室長・営業所長、及び国内外の子会社社長等との意見交換、稟議書・与信申請書などの重要書類の閲覧などを実施しております。また、関係会社の監査役とグループ監査役連絡会を企画・開催し、グループ企業間の情報共有、監査職務に係る知見の向上などを主導しております。

2. 内部監査

内部監査につきましては、内部監査室がその任にあたっており、社長直轄の組織として、室長1名と監査担当者1名で構成されており、当社及びグループ会社を対象に監査を実施しております。内部監査は、年度計画に基づいて実施され、業務プロセスや内部統制の状況を確認し、必要に応じて指摘提言を行い、実施状況や結果等は定期的に社長及び取締役会並びに監査役会に報告されております。

3. 会計監査

会計監査につきましては、PwC Japan有限責任監査法人により、監査契約に基づいた厳格な会計監査が行われており、監査結果についての意見交換、改善などの提言を受けております。
なお、2024年度における当社の会計監査業務を執行した公認会計士は、PwC Japan有限責任監査法人東京事務所 指定有限責任社員 業務執行社員 五代英紀氏並びに同法人東京事務所 指定有限責任社員 業務執行社員 櫻井良孝氏であり、当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士3名、その他10名であります。

4. 監査役、会計監査人、内部監査部門の連携状況

監査役は、会計監査人と監査計画に関する意見交換を行うとともに監査結果報告を受け、その内容に関する討議並びに監査内容の評価を行うなど、相互の連携を図っております。さらに、監査上の主要な検討事項(KAM/Key Audit Matter)については、会計監査人と協議を行うとともに、その監査の実施状況について報告を受け、必要に応じて説明を求めております。
また、内部監査については、内部監査室がその任にあたっており、社長直轄の組織として、室長1名と監査担当者1名で構成され、当社グループ会社を対象に監査を行っております。内部監査は年度計画に基づいて実施され、業務プロセスや内部統制の状況を確認し、必要に応じて指摘提言を行い、実施状況や結果等は定期的に社長及び取締役会に報告されるとともに、監査役にも定期的に報告されております。また、会計監査人とは監査計画やリスク情報を共有しております。
監査役、会計監査人、内部監査室は相互に情報を共有し、密接な連携を図っております。

社外取締役及び社外監査役

1. 社外取締役

当社は、社外取締役が企業統治において果たす機能及び役割について、社外取締役が有する経験及び見識に基づき、独立した立場から当社の経営全般に対する提言と監督を行い、当社の経営体制及びコーポレート・ガバナンス体制を強化することとしております。
当社の社外取締役は以下の通りです。

この表は横にスクロールしてご覧いただけます。

氏名 独立役員 選任理由

吉田 治彦
(よしだ はるひこ)
該当
  • 三井物産株式会社の要職を歴任された、企業経営に係る豊かな経験と高い見識並びに豊富な国際経験に基づき、これまでも当社の経営全般に提言、監督いただいていることから、当社の経営体制がさらに強化できると判断いたしました。
  • (独立役員について)
    同氏は、東京証券取引所が定める独立性の判断基準のいずれの項目にも該当せず、高い独立性を有していることから、一般株主と利益相反が生じる恐れがないと判断し、独立役員として届け出ております。

中村 雅信
(なかむら まさのぶ)
該当
  • 大手銀行・証券会社の要職を歴任された、企業経営に係る豊かな経験と高い見識並びに豊富な国際経験に基づき、当社の経営全般に提言、監督いただいていることから、当社の経営体制がさらに強化できると判断いたしました。
  • (独立役員について)
    同氏は、過去に当社メインバンクの業務執行者でありましたが、退任後すでに約20年が経過しております。また、同氏の招聘は、金融機関からの要請等に基づいたものではなく、同氏が有する豊富な経営経験と幅広い見識を、当社経営に生かすべく当社が独自の判断で行ったものです。さらに、当社は複数の金融機関と取引があり、当社が経営の意思決定を行うにあたり特定の金融機関から影響を受けることはありません。これらを総合的に勘案し、同氏は一般株主と利益相反が生じる恐れが無いと判断し、独立役員として届け出ております。

福田 善夫
(ふくだ よしお )
該当
  • 帝人株式会社及び帝人グループの要職を歴任され、企業経営に係る豊かな経験と高い見識並びに豊富な国際経験を有しております。また、戦略企画、合弁設立、M&Aなどに関する高い知見を有していることから、国際的に展開する当社グループの経営全般に対し、独立した立場から適切な提言と監督をいただいていることから、当社の経営体制がさらに強化できると判断いたしました。同氏が2016年まで業務執行者であった帝人株式会社並びに帝人グループ、及び2023年6月27日まで社外取締役を務めていた東洋建設株式会社と当社の間に重要な取引はありません。
  • (独立役員について)
    同氏は、東京証券取引所が定める独立性の判断基準のいずれの項目にも該当せず、高い独立性を有していることから、一般株主と利益相反が生じる恐れがないと判断し、独立役員として届け出ております。

 和彦
(はやし かずひこ)
該当
  • トヨタグループで開発・設計の責任者としてリーダーシップを発揮された経験と住友電工グループで要職を歴任された企業経営に係る豊かな経験及び高い見識に基づき、当社の経営全般、とりわけ開発型メーカーである当社へ研究開発の観点から提言、監督いただいており、当社の経営体制がさらに強化できると判断いたしました。同氏が2017年まで業務執行者であった住友電気工業株式会社及び住友電装株式会社並びに株式会社オートネットワーク技術研究所と当社の間に重要な取引はありません。
  • (独立役員について)
    同氏は、東京証券取引所が定める独立性の判断基準のいずれの項目にも該当せず、高い独立性を有していることから、一般株主と利益相反が生じる恐れがないと判断し、独立役員として届け出ております。

北本 佳永子
(きたもと かえこ) 
  • EY新日本有限責任監査法人の公認会計士として様々な上場企業の会計監査に携わり、同法人のパートナー・常務理事を歴任されたことから、財務会計に関する豊富な経験と高い見識を有しておられます。また、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会委員を務めていたことから、CO2削減再エネ導入に関する知見があります。これらの経験・能力を活かし、これまでも当社の経営全般及び気候変動やダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン等のサステナビリティへの取り組みに対し適切な提言と監督をいただいていることから、当社の経営体制がさらに強化できると判断いたしました。同氏が務めていたEY新日本有限責任監査法人と経済産業省電力・ガス取引監視等委員会と当社間に重要な取引はありません。また現在、ダイキン工業株式会社の社外監査役及び株式会社荏原製作所の社外取締役を務めておりますが、両社と当社の間に重要な取引はありません。
  • (独立役員について)
    同氏は、東京証券取引所が定める独立性の判断基準のいずれの項目にも該当せず、高い独立性を有していることから、一般株主と利益相反が生じる恐れがないと判断し、独立役員として届け出ております。

2. 社外監査役

当社は、社外監査役が企業統治において果たす機能及び役割について、社外監査役が有する経験及び見識に基づき、独立した立場から当社の監査体制を強化することとしております。
当社の社外監査役は以下の通りです。

この表は横にスクロールしてご覧いただけます。

氏名 独立役員 選任理由

横越 善嗣
(よこごし よしつぐ)
該当
  • 大手銀行グループにおける豊富な経営経験と幅広い見識を有しております。また、大手石油会社で常勤監査役を務め、監査業務についての豊かな経験と財務及び会計に関する相当程度の知見を有しており、2020年6月の当社常勤監査役就任以来、取締役会及び監査役会における中立的・客観的な観点から提言頂いており、監査機能の向上に貢献しております。これらにより、独立した立場から当社グループのコーポレート・ガバナンス体制をさらに強化いただけるものと判断し、社外監査役として選任いたしました。
  • (独立役員について)
    同氏は、過去に当社メインバンクの業務執行者でありましたが、退任後すでに約16年が経過しており、同氏の招聘は、金融機関からの要請等にもとづいたものではなく、同氏が有する豊富な経営経験と幅広い見識、大手石油会社の常勤監査役としての経験による監査業務に係る財務及び会計に関する相当程度の知見を当社の監査に活かすべく、当社が独自の判断で行ったものです。さらに、当社は複数の金融機関と取引きがあり、当社が経営の意思決定を行うにあたり特定の金融機関から影響を受けることはありません。また、同氏が常勤監査役を務めていたコスモ石油株式会社及びコスモ石油グループ各社と当社の間には重要な取引きはないことから、これらを総合的に勘案し、同氏は一般株主と利益相反が生じる恐れがないと判断し、独立役員として届け出ております。

今里 栄作
(いまざと えいさく)
該当
  • 大手証券会社における豊富な経営経験と幅広い見識を有しており、2020年6月の当社監査役就任以来、取締役会及び監査役会における中立的・客観的な観点から提言いただいており、監査機能の向上に貢献しております。これらにより、独立した立場から当社グループのコーポレート・ガバナンス体制をさらに強化いただけるものと判断し、社外監査役として選任いたしました。
  • (独立役員について)
    同氏は、当社のメインバンクである株式会社三菱UFJ銀行を傘下に持つ株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループの業務執行者でありましたが、退任後すでに11年が経過しており、また、当社と取引のある証券会社の業務執行者でありましたが、退任後すでに11年が経過しております。同氏の招聘は、金融機関または証券会社からの要請等にもとづいたものではなく、同氏が有する豊富な経営経験と幅広い見識を当社の監査に活かすべく、当社が独自の判断で行ったものです。さらに、当社は複数の金融機関及び証券会社と取引きがあり、当社が経営の意思決定を行うにあたり特定の金融機関や証券会社から影響を受けることはありません。また、同氏が2025年6月20日まで社外取締役を務めていた丸三証券株式会社と当社の間には重要な取引きは無いことから、同氏は一般株主と利益相反が生じる恐れがないと判断し、独立役員として届け出ております。

3. 取締役(業務執行取締役等である者を除く。)及び監査役との責任限定契約の概要

当社は、取締役(業務執行取締役等である者を除く。)及び監査役と当社の間で責任限定契約を締結しており、当該契約の内容の概要は以下のとおりであります。

「取締役(業務執行取締役等である者を除く。)及び監査役が、任務を怠ったことにより当社に対して損害を与えた場合、その任務を行うにつき善意かつ重大な過失がないときは、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度として責任を負う。」

取締役報酬関係

1. 報酬の額又はその算定方法の決定方針の開示内容

1. 基本方針

取締役の報酬は、当社グループの中長期的な企業価値の増大並びに各事業年度の業績向上を図る職責を負うことを勘案し、固定報酬となる現金報酬及び譲渡制限付株式による株式報酬と、年度の業績に連動した賞与で構成する。
なお、社外取締役には株式報酬は支払わず、現金による基本報酬と賞与を支払うこととする。

 

2. 基本報酬の個人別の報酬等の額の決定に関する方針

取締役の基本報酬は、月例の固定報酬とし、2023年6月21日開催の2022年度定時株主総会で決議された報酬額(3億2千万円、うち社外取締役分1億円)の範囲内において、代表権の有無、役位、職責に応じて、当社の業績、執行役員を含む従業員給与の水準等を考慮しながら、総合的に勘案して決定するものとする。

3. 業績連動報酬の内容及び額の算定方法の決定に関する方針

取締役の業績連動報酬は、事業年度ごとの業績向上に対する意識を高めるため、各期の業績(単体当期純利益額の4%を目処)及び年度経営計画の達成状況等を総合的に勘案した上で、指名・報酬諮問委員会への諮問、答申プロセスを経た後、取締役会の決議を経て、株主総会において決定する。なお、支給は年1回とする。

4. 固定報酬の額、業績連動報酬等の額の取締役の個人別の報酬等の額に対する割合の決定に関する方針

当社の取締役報酬は、固定報酬(現金による基本報酬及び譲渡制限付株式による株式報酬)、変動報酬(業績連動賞与)によって構成されており、賞与の財源となる当期純利益は業績に応じて変動するため、事前に報酬の種類別割合は決定せず、3項による各期の賞与決定額によって事後的に決定されるものとする。

5. 譲渡制限付株式による株式報酬額の決定に関する方針

取締役(社外取締役を除く。)に対し、譲渡制限付株式に関する報酬等として支給する金銭報酬債権の総額は、2022年6月22日開催の2021年度定時株主総会で決議された1億円以内とし、各取締役の報酬額は、取締役会で決議された役員規程の定める基準にもとづき算定された額を基礎とし、取締役会で決定する。

6. 取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する事項

取締役の個人別の報酬については、2024年3月25日開催の取締役会において設置を決議した、委員の過半数を独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会への諮問、答申プロセスを経て、取締役会の決議にもとづき代表取締役社長に任命する。

2. 役員報酬等の額

2025年3月期に係る役員報酬等の額は以下の通りです。

① 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別総額及び対象となる役員の員数

この表は横にスクロールしてご覧いただけます。

役員区分
報酬等の総額
(千円)
報酬等の種類別の総額(千円) 対象となる
役員の員数(人)
基本報酬 業績連動報酬 非金銭報酬等
取締役
(うち社外取締役)
272,539
(72,000)
199,047
(72,000)

(ー)
73,492
(—)
11
(5)
監査役
(うち社外監査役)
81,600
(43,800)
81,600
(43,800)

(—)
(—)

(3)
  • ※1.取締役の報酬等の総額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれておりません。
  • ※2.取締役の業績連動報酬につきましては、当期の業績を総合的に勘案した上でゼロとしております。
  • ※3.上記非金銭報酬等は、譲渡制限付株式報酬として当事業年度に費用計上した額であります。

② 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等

2024年度は報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、個別報酬は開示しておりません。

 

代表取締役社長等を退任した者の状況

元代表取締役社長等である相談役・顧問等の氏名等

この表は横にスクロールしてご覧いただけます。
氏名 役職・地位 業務内容 勤務形態・条件
(常勤・非常勤、報酬有無等)
社長等退任日 任期
伊藤 光昌 特別顧問 経営陣の要請に応じた助言 常勤
報酬有り
2024/6/21 1年

株式の保有状況

2025年3月期に係る株式の保有状況は以下の通りです。

1. 保有目的が純投資目的以外である投資株式

この表は横にスクロールしてご覧いただけます。


銘柄数
(銘柄)
貸借対照表計上額の合計額
(千円)
非上場株式 3,800
非上場株式以外の株式 406,131

2. 保有目的が純投資目的以外である投資株式の銘柄、株式数、貸借対照表計上額、保有目的

この表は横にスクロールしてご覧いただけます。

銘柄 株式数(株) 貸借対照表計上額
(千円)
保有目的
株式会社不二越 107,000 365,405 取引関係の安定と強化のため
株式会社南陽 35,200 40,726 取引関係を強化するため

コーポレート・ガバナンス報告書

本サイトでは、お客様の利便性向上や閲覧状況の統計的な把握などを目的に、クッキー(Cookie)を使用しています。クッキー(Cookie)についてをご参照のうえ、クッキーの利用に同意していただける場合は「同意する」ボタンをクリックしてください。

同意する