「技術」と「技能」
当社グループでは、「技術」を新たな創造力によって進化するもの、「技能」を伝統に立脚したたゆまぬ研鑽により時間と手間をかけて蓄積したものと区別して捉えております。
技能は経験の蓄積である暗黙知です。新技術には、暗黙知である技能を形式知化することによって生まれるものと、理論を具現化することによって生まれるものがあります。
暗黙知である技能を進化させることで技術は高度化していきます。そして、技能という暗黙知を計測等で数値化・定量化することで技術者の感性が刺激を受け、認識・基準に変化がおき、さらなる高精度加工等のより高い目標に挑戦するようになります。また、数値化、分析・解析・理論化された暗黙知の形式知化はモノづくりの方法・設計や手順といった技術になります。このように、技術と技能は相互に影響し、スパイラルアップしながら発展していきます。
事業展開
当社グループは、これまで培ってきた精密加工技術と制御技術をベースに、より高次元の位置決め精度を目指したトータル・モーション・コントロールの高度化を進めております。
ハーモニックドライブ®やアキュドライブ®といった減速装置をより小さく、軽く、力強く、高精度なものにするため、精密加工の技術と技能を高める一方、これら減速機の性能や形状・軽さなどの特長を最大限に引き出すため、その周辺技術の開発にも挑戦してきました。より小型・高トルク・高応答・高精度を可能としたモーターやセンサー、より高度な位置・速度などの制御を可能にするドライバーやコントローラー、またその他システム要素なども手掛けることで、産業用ロボット、半導体製造装置、工作機械などから、医療用機器、石油掘削、さらには火星探査や天文学といった科学技術の最先端分野へと用途が広がっております。
産業界の課題解決を視野に入れた研究開発
技術と技能の向上は、製品を高度化するのはもとより、研究開発の面においても大きな可能性をもたらし、新規事業の創出を促します。
将来を見据えた基礎研究を通して、コア技術の蓄積と基盤技術の深耕・拡充を進め、研究成果を公開することは、産業界の課題解決のヒントとなり、顕在化されたニーズとして私たちへの新製品の要求に繋がります。研究成果の公開から産業界へ応用するまでには数年単位の時間差がありますが、当社グループは、産業界の潜在的課題を掘り起こし、市場のニーズにいち早く応えられる製品開発体制を整えながら、中長期的な視点から研究開発活動に取り組み、事業の発展を図ってまいります。
研究段階から産業への応用「ハンドモジュールの事例」